コカコーラの好きなキリン

ライブレポや音楽雑記、漫画のことなど。

少女漫画三冊借りました。ライフル少女、BABY誰より君が好き、溺れるようにできている。

BGM:京大軽音ニューウェイブ黄金時代
VA。80年前後の京大軽音部の音です。なかなか一筋縄でいかないものが多くていい感じです。


久しぶりに漫画レビュー。
最近女の子から少女漫画を借りたので読んでみました。前知識ないぶん変な先入観なしで楽しめましたので一気に3冊レビュー。でも借り物だからスキャンはなしです。

ライフル少女/タアモ

すぐにぶちぎれてしまう少女・こっこと男をとっかえひっかえしている少女・愛子。二人ともう一人の幼馴染・力ちゃんは幼い時から仲良し。でも恋愛面に関しては腹割って話したことはない、そんな関係。
話はこっこがいつも朝同じ電車に乗っている小川先輩に恋心を持つことから始まります。少し仲良くなったところで愛子と小川先輩が鉢合わせ。愛子はすぐに先輩のことを気に入ったようで、こっこは複雑な心情。そこから気まずくなってしまい・・・
というこっこ視点の第一話。こちらはまぁありがちな友情と恋愛のお話。一話だけでもそこそこ面白いのですが、第二話が秀逸。
今度は愛子視点でのお話で、第一話で消化不良だった部分が次々明らかになっていきます。もうすごく切ねぇ。私はかなり愛子に共感しました。
表題作以外にもチャライ男の子が地味な女の子に恋するというライフル少年、田舎を舞台にしたおばけ村へようこそを収録。
絵柄も可愛らしくて少女漫画色が薄くて男性でも読みやすいです。表情の描写も好き。

Baby誰よりキミが好き/尾崎衣良

表題作は稚ちゃんのことが大好きな大久保君となんとなく付き合っちゃってる稚ちゃんカップルの話。"好きってどういうこと?"という問題をストレートにぶつけてくる作品。
個人的には表題作よりも、この本の8割を占める続きもの「恋は列車に乗って」と「いつかのキネマ・パラダイス」の方が好きです。
恋は〜は高校編。映画部の小波は同じ映画部の茨木先輩に告白するも振られ、友達から・・・ではなくパシリからのスタート。めげることなく先輩のためならと喜んでパシられる小波ちゃんが可愛いです。
ただ先輩は家業を継ぐため大好きな映画を高校卒業と同時にやめなければいけなくて・・・というお話。
いつかの〜は大学編。なんとか大学の間だけは映画を続けられることになった先輩と、先輩と一緒に映画を作りたいと演者として目覚めた小波ちゃんのお話。特にいつかの〜は好きなのに別れなくてはいけないという小波ちゃん、先輩の切ない気持ちが全面に押し出されてて読んでてうわあぁぁてなります。個人的に恋愛面だけでなく、好きなもの(=映画)を諦めるという点でも身につまされます。将来音楽に関われる職につくかどうか悩んでいる私には痛い痛い。
絵柄は普通の少女漫画風です。萩尾望都が平気な私は余裕でした。

溺れるようにできている。/シギサワカヤ

地味でちょっと人づきあいがあまり得意ではない佳織と、年上の幼馴染・圭ちゃんのお話。
佳織はいろいろ考えすぎちゃう子で「圭ちゃんに迷惑ばかりかけてる」とか「大好きなんだけど聞きたいことが素直にきけない」とかうじうじ考えるだけだったのに、後半からはバイトを始めたり、いろいろ考えていくうちに言葉にしたり行動を起こせるように成長していきます。
初めのうちこそ完璧な大人な男性みたいに描かれていた圭ちゃんも徐々に人間くさく描かれていき、読み進むうちに親しみやすく感じてきます。そんな二人を描いた作品。
佳織のように「圭ちゃんに好かれたい、よく思われたい。そんな気持ちに溺れて自分勝手なことばかり思って自己嫌悪して動けなくなる」みたいな感情、共感できますよね。
絵柄は普通で、全然少女漫画っぽくないです。ギャグっぽい感じも強くてサクサク読めますし。なんでも掲載紙がコミックエールというもので"男の子向け少女まんが誌"がコンセプトみたいです。納得。
今回読んだ3作品ではこれが一番好きです。シギサワさんの他の作品も読んでみたいです。


今まで少女漫画って赤ずきんチャチャみたいなギャグものか、萩尾望都みたいな大名作くらいしか読んだことなくて最近の恋愛中心の少女漫画って読んだことなかったんですが、なかなか面白かったです。
いつも読んでる少年漫画や青年漫画なんかでも恋愛中心でニヤニヤしっぱなしな作品はあります。ラブロマ然り、謎の彼女X然り。ただたいてい男目線であり、出てくるキャラ達も濃く、どこかに熱さ、いわゆる"燃え"のような要素もも含まれているような作品が多いのです。
ただ今回読んだ作品はどれも恋愛恋愛恋愛、どこまでいっても女の子の微妙な心理描写。正直逃げ場がないです。
せせせ切ねぇ!ニヤニヤする暇なんてありませんよ!終始切ない切ない。そして男性が読んだ場合出てくる男キャラの完璧な優しさに軽く打ちのめされるという精神的ダメージもあります。みんな素敵すぎる・・・


今回恋愛中心の少女漫画読んでみてかなり興味湧きました。もっと少女漫画読んでみようと思います。