最悪な仕事の歴史 vol.2 写本装飾師
BGM:SUICIDE MACHINES
スカパンクバンド。昨日ツタヤのレンタル落ちで100円でゲット。ついでに悪魔城ドラキュラ、悪魔城ドラキュラXのサントラも各百円。BAWDIESのシングルを50円で。
1stを中学時代に死ぬほど聴いた気がします。あのときはこういう音が好きだったなぁ。
音楽ブログだったはずなのに何故か歴史読み物を書いているという意味不明な行動に出ていますが、面白ければいいかなーなんて思ってますので見守ってあげてください。
では今日も今日とて最悪な仕事を。
写本装飾師
キリスト教の伝道に必要不可欠だったものが福音書。口伝も多かったようですが、中世にはやはり文に残して保存しておこうという動きもあったようです。
この当時は勿論印刷機なんかないので一枚一枚手書きで写していきます。しかも福音書の凝った装飾まで手書きで写すのです。それが写本装飾師の仕事。
(実際の装飾写本の一ページ。これが手書き。)
これだけでも大変ですが、まだまだ大変な点があります。
まず用具を準備しなければいけません。たとえばインク。
当時インクはハチの幼虫が出した唾液がナラの樹皮に反応してできる"虫えい"というものから作っていたらしいです。
写本装飾師は建物の中にずっといるわけではないのです。
用具の準備ができたらようやく写本に取り掛かれるわけですが、これもまた一苦労。なにせ当時福音書に使っていたのはベラムという家畜の皮で、紙ではないのです。
そのため、文字を書くためには入れ墨のようにまず文字を刻みつけて、それからインクを流し込む必要があったのです。
そしてミスをしたら一ページ分がパー。
しかも当時はガラスがない窓から明かりをとるため、冬は寒さに震えながら何時間も何時間も集中して地味な作業の繰り返し。
気が狂いそうですね。
実際写本装飾師たちはかなり不満がたまっていたらしく、本にいたずら書きを残した人もいたそうです。
「神様、寒すぎです。」
・・・シンプルですがなんとインパクトのあるいたずら書き。
こういった写本装飾師によって作られた福音書はとても貴重なものだったため、8世紀ごろ、教会はヴァイキングによく襲われて福音書を奪われ、大金を払って買い戻していたそうです。
何人もの人の、何百時間もの努力の結晶ですからね・・・
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